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二宮真佑子のブルズびいき

Vol.31 “チームに欠かせない重要なピース”谷口淳

谷口 淳

爽やかさをまとう甘いマスクからは、切れ味抜群の関西弁。必ずオチをつけて話題を落とし込む話術に拍手喝采。無機質な文字からでも、流れるような心地よい関西弁を頭の中で想像しながら読んでいただきたい。谷口選手は大学卒業後、三井住友海上に入社。Bリーグ開幕年に脱サラしプロへ転身する。4シーズン在籍していた西宮時代は、西地区優勝・B1昇格の経験も。自身はポジションアップし進化を遂げる。そんな谷口選手の持ち味はどんな相手にも恐れないエナジー溢れるディフェンス力。攻守とも外周りのプレーを見事にこなす頼れるロールプレーヤー谷口選手が、チームに大きな影響を与える歯車になることは言うまでもない。

“岩手、色々パンチあるなぁって”

―生まれも育ちも大阪の谷口選手。大学や社会人になって以降も京都や兵庫、福岡など西の地域で暮らすことがほとんど。初めての東北・岩手に来てみて思ったことはー

二宮:岩手に来てまだ間もないですよね。 
谷口:10日ぐらいですね。
二宮:初めて岩手に来て早速驚かれたことがあったそうで。
谷口:はい(笑)不動産会社の方に“水抜き”してくださいねって言われて、いや、水抜きってなんですか?って聞いたんですけど、めちゃくちゃ訛っている人で、「んだ、んだ」言っていて(笑)おそらくこういうことしなあかんのやな〜って思って聞いていたんですけど、あとで他の人にちゃんと聞こうと。でもそのおっちゃんは、すごくビビらしてくるというか「寒い時は1時間でもほったらかしていたらあかんよ〜」みたいな。きっと心配してのことだと思うんですけどね、色々パンチあるなぁって思いますね。
二宮:パンチがありますか(笑)他にはどんな?
谷口:ドライブしている時も、広大な田舎道ですごいなって思いました。十字路の左右確認もず〜っと向こうまで見えて安全やなと思いながら走っていました(笑)福岡はどちらかというとバス文化で常に忙しない感じだったんですけど、こっちは時がゆっくりと流れているなって思いますね。

“ポジションアップしてキャリアは浅い。僕の中で練習環境っていうのはすごく重要”

―プロ1〜2年目は、4番5番ポシジョンで戦ってきた谷口選手だが、2018−19シーズンからはポジションアップ。3番フォワードとしてチャンスを掴み磨き上げてきた。ハングリー精神を持ち進化を続ける谷口選手が次なる舞台を岩手に決めた理由とはー

谷口:ポジションアップというのは僕が生き残っていく面でも必要なこと、進化だったんですけど、まだまだ完成された選手じゃないです。それをもっと手助けしてくれる場所っていうのが自分の中にありました。岩手からオファーがあった時に自分がちゃんと外周りとして練習してチャレンジできるステージだなって思えるのが1つの決め手でした。キャリアとしては6年目ですけど、ポジションが変わってキャリアは浅いので、僕の中では練習環境っていうのはすごく重要でした。その中で専用体育館があるというのはすごく大きくて周りの選手も見本になる選手が多いし、ベテランの人も多いので、まだまだ学べることがたくさんある、尚且つそれをチャレンジできる場所だと思いました。
二宮:特に見本にしたい選手は?
谷口:ポジションは違うんですけど、伊藤良太です。昔から彼のことは知っていて、すごく上手い選手だって思っています。彼はガードですけど、外周りの動きについてはこっちに変換して僕が活かせることはたくさんあるだろうなと思います。今年加入してくる髙畠さんも、数日一緒に練習していますけど彼の“シューター”としての動きやピックアンドロールを使う側としての動きについてアドバイスをしてくれます。すぐ近くにいい見本があると、イメージしながら練習できるので成長の速度もだいぶ変わってくるなってここ数日でも感じていました。

 “シュートが外れようが、決まろうが関係ない。練習をしてきたお前には打つ権利がある“

―西宮3年目。ポジションアップの背中を押したのは当時の指揮官ミオドラグ・ライコビッチ(現パスラボ山形ワンヴァイズのH C)だった。彼との出会いが谷口選手のバスケ人生の大きな転機に―

谷口:ライコビッチから「僕のサイズで3番ができないと今後は厳しいんじゃないか」っていう話もあって相談していました。それを決めてから彼は、全体練習が始まる1時間半前にきて個人的に練習をしてくれていました。初めは、全然3番とかやったことなかったので新鮮でしたし、4、5番はゴールを背にしていることが多いので、ゴールに対峙している自分がまず全く違う競技を始めた感覚でした。彼はセルビア出身。セルビアはバスケ大国でユースの強化にも力を入れているような監督なので、僕のことも小さい子に教えるように指導してくれたので、それが僕にとって1番、基礎となっている部分ですね。
二宮:ゼロからのスタート、HCとの出会いは大きかったんですね。
谷口:最初は結果が出なかったんですけど、チームメイトに加えてコーチが特に「シュートが外れようが、決まろうが関係なくお前は練習しているんだから打つ権利がある」って。どんな状況でも打ちなさいって言ってくれたのが肩の荷が降りる感じでした。プロの舞台でチャレンジさせてもらっていて、決めないと、決めないとみたいな自分の中で追い込む気持ちをすっと取り除いてくれるというか、シンプルに「チャレンジしよう」って前向きに臨めたシーズンで、大きな転機でしたね。

“この先は自分で何かを作り出す人間に”

―1年また1年と段階的にスキルアップを図ってきた谷口選手は、西宮ラストシーズン、スリーポイント成功率36.1%と進化の証を数字に刻む。新たな岩手の舞台では、チームケミストリーの向上とともに自ら得点を獲りにいきたいと意気込む―

谷口:今まではお膳立てしてもらっていた部分はあったので、ここから先のステージにいくには、自分で何か作り出す、クリエイトする人間にならないとなって思っています。見方をフリーにしたり、逆に僕が点を獲りにいかないといけなかったり。だからと言って、入ってガチャガチャやろうとは思わないし、みんなのリズムを崩すようなことはしたくないんですけど、みんなに合わせながらもスコアしていくっていうのは今後自分で必ず必要になってくるかなと思います。
二宮:今季のテーマになりそうですね。
谷口:まず1番はチームにアジャストすること。そこからですね。チームがどういう方向で、皆どういうエナジーを持ってやっているのかっていう、そういうところを自分が溶け込んで、合わせていく。チームが良いリズムに乗って、その中の歯車の1つとしてプラスの波の中に自分が練習してきたことをどんどん出してプラスアルファしていければいいと思っています。

“眼光鋭くロックオン”

―注目は、福岡時代のH Cジョゼップ・クラロス・カナルス(愛称:ペップ)のもとで鍛え上げられたディフェンス力。外国人選手とのマッチアップも多く任され信頼を勝ち取った経験は大きな自信に。ペップ仕込みの殺気立った守備は見応えあり!―

谷口:「ディフェンス、ディフェンス、ディフェンス」って。本当にもうすごかったんですよ(笑)ただ、この身長で彼の要望に応えられたっていうことはディフェンスのレベルが上がったかなと思っています。去年は外国籍選手とかもマッチアップさせてもらって、“ディフェンスは、他より頑張れるぞ”と思っていますね。結構ディフェンスでも気持ちを出す派なのでそこを見ていただけたらと。
二宮:気持ちが出る、表情とか全く違うんですか?
谷口:多分僕普段こんな感じですけど、試合中全然違うんですよ。チームメイトに言われたのは犯罪者の目をしているって。人を2、3人殺めた目をしているって(笑)
二宮:え・・・
谷口:眼光鋭いというか、自分ではそんなつもりじゃないんですけどね(笑)ディフェンスは、チームワークを1番表現できるところかなと思っているのでそこのアジャストも見ていただけたらと思います。

“我が子を見守るような感じです”

―そんな谷口選手がチームメイトの中で注目している選手は―

谷口:僕の中でこのカテゴリーでやるのは初めてなのですごく楽しみというか、伊藤良太と一緒にコートに立ちたいなとは思います。彼がどんなゲームを作ろうとするのかとか、去年キャプテンをやっていましたしどんなキャプテンシーでチームを引っ張っているんだろうとか彼のプレーには注目しています。あとは、鈴木!(#41鈴木翔太選手)僕が西宮にいる時に練習生できて一緒にやっているので。まぁ彼は変な奴なんですけどね(笑)
二宮:どんな方なんですか?
谷口:人見知り的な雰囲気を出しておきながら急に「淳さん家行っていいですか」って。急に距離感近って(笑)
二宮:(笑)
谷口:でもバスケに関してはすごく熱いやつです。練習生って1番難しい立場ではあると思うんですよ。試合には絡めない、コールアップされる確率もまぁそんなにない、その中でチームの中の雑用をしてくれたり、チームがうまく活動する中で手伝ってくれたり。さらにはそういう状況の中でも時間を見つけて練習をする姿を見てきているので。彼はすごく志の高い選手ですし、今回チャンスを掴んだっていうのは僕自身も応援したいなって思います。親心じゃないですけど「頑張れよ、このままのし上がっていけよ」って密かに思っています。・・・これ、あまり書かないでください。

“気分屋です、赴くままに生きています”

二宮:ひとことで言うと自分の性格はどんなタイプですか?
谷口:気分屋ですかね、自己中というか。今日は午後から買い物行こうって思っていたけど、めんどくさいな〜って思って友達誘った後でもやっぱ辞めようかって(笑)
二宮:友達は、それで許してくれるんですか?
谷口:そういう奴にしか言わないです。断れる相手なら断ろうって思っていますね(笑)
二宮:気を許した相手にこそ、そういう気分屋の一面が出るっていうことですね。
谷口:すでに髙畠さんにはそんな感じですね。
二宮:じゃあゆくゆくはそういう気分屋なところも。
谷口:いや、もう出てます(笑)許してくれる優しい先輩なので甘えています。

“この前、初めて回りました”

二宮:バスケ以外で好きなこと、ハマっていることはありますか?
谷口:ゴルフです。打ちっぱなしには行っていたんですけど、この前初めて西宮の時からお世話になっている先輩方と一緒に回りました。初スコアは、139。最初200くらいかなって思っていたんですよ。最初やしあかんのやろなって思っていたんですけど、案外いけたなって!(笑)
二宮:始めたきっかけは?
谷口:“趣味はなんですか?”って聞かれた時に、“いや特に〜”っていうこの物悲しさというか。“こいつ何もないんやろな〜”って思われるのは嫌やし。シーズン中も考え込んで気分転換したい部分はあるので。アクティブに気分転換できるものがいいなって思って、西宮の時のメンバーで「皆でゴルフやろうか」ってなって始めたのがきっかけです。

“違う畑の人たちがバスケットに興味を持ってくれたら“

―美食家の一面を持つ谷口淳。インスタグラムに投稿された写真を見ればご納得。脂ののった美しい赤身肉やプリップリの艶感抜群の伊勢海老など、即いいね!と押したくなる美味しさ溢れ出す写真ばかりだ。好きな食べ歩きで新たなつながりや新たなバスケットファンを増やしたいと思うちょっぴり人とは違う角度で攻めているところも谷口流―

谷口:最初はフォロワーさんを増やそうと思ってやっていたんです。何でバスケット上げないかっていうとバスケット好きが僕のインスタを見るのは普通のことだと思うんです。そうじゃなくて全く知らないところからバスケット知って欲しいなと思って。僕が食べ歩き好きでそれをアップするとメッセージをくれたりして「バスケット選手なんですか〜、今度試合観に行きます」って。全く違う畑の人たちがバスケットに興味を持ってくれてファンになってくれるのは嬉しいです。自分の好きなことや美味しいものを共有しながら、自分にも岩手にも興味を持ってもらって、そういう人たちをこの業界に引き込んでいきたいなって思います。
二宮:クリエイティブですね!
谷口:最近はフォロワーの半分以上が僕の食べ歩きの情報を見てフォローしてくれている人たちなんですよ。たま〜にバスケのこととかストーリーにあげたりするんです・・・20人くらい減るんですよ、やめよって(笑)
二宮:もう逆にバスケを出せなくなっている感じなんですね(笑)
谷口:最近はコロナで出られなかったのであまり行けてはないんですけど、もし自由に行けるようになれば、もっとどんどん美味しいところを探していけたらいいなと思います。

“このチームの力に、みんなの前で早く試合したい”

―最後に、開幕を楽しみしているブースター・ファンの皆様へ―

谷口:B2、B3だとか、B3の中でも千葉や長崎とか言われていますけど、僕は単純にこのチームの力になりたくて、このチームで成長したくてきました。ブースターの皆さんも熱いって聞いていたので、早くみんなの前で試合したいなってすごく思っています。僕らこの夏、これからゲロ吐くほど練習すると思うんですけど、恐ろしいんですけど、震えているんですけど。胸張って“俺らこれだけやってきた”って言えるようにこの夏頑張っていくのでぜひ、会場にきて直で応援していただきたいなって思っています。よろしくお願い致します。

※次回は、#41鈴木翔太選手です。乞うご期待!

【書き手】
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■氏名 二宮真佑子(にのみやまゆこ)
■生年月日  1989年7月25日
■出身地  神奈川県横浜市
■経歴   玉川大学教育学部教育学科
2012.4~2015.3 横浜市内の小学校勤務
2015.4~2020.3  NHK盛岡放送局(出演者契約)ニュースキャスター、中継リポーター、番組ナレーション、イベントMC、講演会など幅広く担当。
2020.4フリーアナウンサーとして独立。
2020-21 岩手ビッグブルズアリーナMC
2021-22  岩手ビッグブルズアリーナMC
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