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二宮真佑子のブルズびいき

Vol.34 “チーム力の肝を知る漢”小松秀平

チーム最年長36歳の小松秀平選手。落ち着いた雰囲気に加え物腰柔らかく飾らない人柄が印象的。コート上では一変、 “シューター小松”の研ぎ澄まされた感覚と確かな技術で沈めるスリーポイントは脅威の存在に。2019-20シーズン、1ゲーム差で昇格を逃した岩手に対し僅かな差を大きな一歩に変えた新規参入の佐賀。佐賀の昇格の立役者が、ここB3に再び波乱を巻き起こす。昇格の挑戦へ再び心を燃やす漢の存在は、岩手に大きな力をもたらすこと間違いない。口を開けば尽きることのないトイレ話や緑と向き合うリフレッシュタイムなど小松選手の素顔もちらりほらり!?

“最後チャレンジできるところがどこなのか。佐賀の時と同じ気持ち。もう1回勝ち取りたいって強く思いました“

―2019−20シーズン、B3新規参入の佐賀バルーナーズに移籍した小松選手。プロ14年目、bj時代から積み上げてきたキャリアを注ぎ込み、佐賀は見事初シーズンで昇格の切符を手に入れた。佐賀のB2初舞台は、西地区3位でプレーオフ進出。“最短B1昇格”の階段を駆けのぼる一方で、小松選手は、昇格実現に再び挑む。岩手を決めた理由には小松選手の確固たる信念と覚悟があった―

二宮:今回、岩手に移籍を決めた理由はどんなところにあったんですか?
小松:自分の中ではB1、B2、B3っていうカテゴリーってあまり関係なくで、年齢も年齢なので自分が歳で“最後チャレンジできるところがどこなんだろう”って。選手としての価値を、選手として評価しているクラブはどこなんだろうって自問自答した時にここだって思いました。佐賀からもお話をいただいていてB2でプレーできる状況ではあったんですけど、社長が変わって環境も変わって。そんな中で岩手からお話をいただいたんです。自分の中では明確な目標があるチームでプレーをしたいっていうのがあるので「B2に行きたい」っていう水野さんの想いを聞いて “また自分の中でチャレンジしたいな”って。佐賀でB3からB2に昇格した経験はあるんですけどそれをもう1回チャレンジしたいなっていう気持ちが強くなりました。
二宮:佐賀への移籍の際も相当な覚悟があったと聞いています。
小松:そうですね。佐賀は、新規のチームで最短でB1いきますっていうはっきりとした目標がありました。それに伴ってB1ライセンスも昨シーズンにとって、アリーナも今作っている状況で、あとは僕たちが勝てばっていう目指すところがはっきりとした中でプレーさせていただけました。岩手からのオファーをいただいて話を聞いた時に、明確な目標・今後のビジョンというのは佐賀に似ているところもあって、自然と佐賀の時と同じ気持ちになれたというか、もう1回自分の力でじゃないですけど、もう1回勝ち取りたいなって強く感じたんです。

“新チームは、最初が肝心。チームづくりの基盤は、コミュニケーション”

二宮:昇格経験をしている小松選手からみて優勝するために必要なことってどんなことだと感じていますか?
小松:まずはチームが1つとなること。チームというのは、選手はもちろんフロントやブースターさんも。みんなで信頼を持ってファミリーになって、そして尊敬の気持ちを忘れずに臨むっていうのが大切だと思っています。あとはチームの遂行能力。個ではしってしまうチームは、1人のスタッツが良くてもチームの成績は良くないってことがあります。5人でやるゲームなので、個よりもチームで戦うスタイルの方が必ず全体でのってきます。組織で戦うことがシーズン通して大事になってくるところだと思います。
二宮:組織で戦うために具体的に必要なことってどんなことになるんでしょうか?
小松:昨季から残っている選手はいても外国籍選手も新しくなって、僕もこうやって初めて来ているので、ある意味新チームです。組織で戦うためにもスタートダッシュが大切です。いいスタートを切るためにも“どれだけいいチームを作れるか”まずは“コミュニケーション”だと思うので、それについて優磨H Cに話をしました。「遠慮しないでどんどん言って、お互いにやりやすい方向に作っていかないといけない。本当にB2昇格したいなら遠慮とかいっている場合じゃないから」って。僕の年齢からみると彼は若いし、遠慮もどこかしてしまうかもしれない、だけどそこを関係なしにリスペクトを持って接することを1番に思っています。

“リスペクトとファミリー精神”

―小松選手のインタビューの中で何度も出てきた言葉がある。“リスペクトとファミリー”佐賀時代に学んだ精神をベースに、小松選手が考える“年上が歩み寄り、引き出すチームづくり”へと辿り着くー

二宮:リスペクトとファミリー、この言葉は?
小松:当時の佐賀の社長がよく言っていた言葉です。リスペクトの気持ちとファミリーをベースに置くことを大切にしていました。その環境を作っていくのは年上が作っていかないといけないんじゃないかなって思っています。上がこれやれあれやれじゃなくて、下がアウトプットできる、若い子たちが言いたいことを言える環境を作ってあげるのが大事だなって。このチームでいえば僕や髙畠なんじゃないかなって思っています。
二宮:小松さんがキャリアとしてまだ若い時は違いましたか?
小松:新潟の時は、さすがになんでも言っていいよっていう感じではなかったのでどこか遠慮している部分もありました。僕の中では、ある意味時代も変わってきているのかなって思っていて、佐賀の経験を通して良い環境を年上が作ってあげるっていうことにたどり着きました。佐賀も若い選手が多かったので、こっちから歩み寄ってあげた方が彼らにとってはやりやすかったのかなって思います。壁を作ったら人ってプレーにも影響すると思うんです。仕事とプライベートって分けた方がいいとはいいますけど、プライベートでもプレーでも良い距離で言い合える仲であれば、いいものができるじゃないかなって思っています。

―佐賀のキャプテンとして小松流のチームづくりは、チームの成績に留まらず若手の成長にも大きく影響した。岩手県盛岡市出身の澁田怜音選手もその1人。佐賀昇格年に特別指定選手として佐賀に加入し、自身の実力もメキメキと伸ばしていく。進化を遂げた澁田は新シーズン、個人昇格のチャンスを掴みB1滋賀でプレーする―

二宮:彼はどんな選手ですか?
小松:真面目で礼儀正しいですし、僕にとってはすごくやりやすい選手でしたね。なんかこう、可愛い感じじゃないですか(笑)弟みたいな感じでした。彼はB3途中から入ってきて最初はやりにくいところはあったと思うんですけど、それこそ彼にも“遠慮しなくていいよ”っていう話はしました。B2に上がってからはだんだんと自信をつけて思い切ってプレーできていたなって思います。それがかわれて滋賀に決まって、彼は若いのでそういう機会を絶対ものにした方がいいですし楽しみですね。

“いつでも怖い存在で”

二宮:今季、個人的にテーマにしていることはありますか?相手は“シューター小松”という意識で向かってくると思います。
小松:そうですね。でもそこがなくなったらある意味僕じゃなくなるので、いつでもシュートを打たせるなっていう怖い存在でないといけないですし、それがずっと僕がやってきたスタイルなので。3ポイントにはこだわってやっていきたいと思っています。
二宮:練習の上でもこだわりはあるんですか?
小松:佐賀のルイスH C(現 滋賀レイクスターズH C)はスペインでの経験があって、スペインからシューティングコーチを連れてきたことがありました。その時には、“とにかく落としても気にするな。とにかく構える、いつでも準備している”っていうことを言われて、そういう意識をするようになってからはだんだんと調子が良くなっていって変われたなって実感がありました。チームとしてもB3タイトルに繋がりましたし、とてもいいきっかけだったなと思います。
二宮:より一層怖い存在になったんですね。
小松:コーチにスリーポイントに対して何が一番必要かって聞いた時に「全て」だって。生活から練習から準備から全てがシュートにつながるって言われて。
二宮:変わったりしましたか?
小松:生活は大きくは変わっていないですけど、負けず嫌いなところもあるのでやっぱり今でも自分が納得するまではずっとシューティングはしていますね。

“ブレない感じ。いいもの持っているんじゃないかなって”

―そんな小松選手がチームメイトの中で注目している選手は、“NEXT TOSHI”と自ら題し今季さらなるパワーアップに取り組む#30横川俊樹選手―

小松:今日も練習に来ていたんですけど、トシは黙々と1人で練習するタイプなんでしょうね。あまりまだ会話っていう会話はしていないんですけど、自分を持っているというか、ブレなそうな感じだったので。シューティングを見ていても結構入っていましたし、いいものを持っているんじゃないかなって思って楽しみにしています。

“真面目で気にしい。袖を通せば即先生!?”

二宮:自分の性格をひとことで言うとどんなタイプですか?
小松:真面目、真面目、真面目で気にしいですね!
二宮:例えば、気になるのは自分のことで?それとも周りのことですか?
小松:岩手に来る前にチームのツイッターでアップされているシュート練習動画を見て、みんなめっちゃ入るな〜、全然外さないな〜って思って(笑)「俺が行った時に撮られて全然入らなかったらどうしよう・・・」とかっていうちっちゃいことも気になりますね(笑)
二宮:なるほど(笑)小松選手は、どこか先生的な雰囲気も感じます。 
小松:あ〜それはよく言われますね、先生っぽいって!ここに来る時に白のYシャツを買ってクールビズだからノーネクタイでいいよねって嫁と話をしていたんですけど鏡見たら「完全先生なんですよ」だからYシャツやめました(笑)
二宮:襟なしですね。その雰囲気は昔からですか?キャプテン経験やキャリアを重ねてだんだんと出てきたって感じなんでしょうか。
小松:昔からよく落ち着いているねって言われます。だけど、めっちゃ緊張しいです。

“1本のシュートを打つよりも1回のトイレに行くことが気持ち的にも安心”

―泰然自若なようで実は緊張しやすい一面も。試合前には腹痛を伴うことも多々あると告白する小松選手。試合では決して見えない死闘がそこにはあった―

二宮:緊張しいでも、表にはあまり出さないんですか?
小松:出さないですね〜。出さないですけど僕はお腹がすごく弱いんです。
二宮:そうなんですか!??
小松:めっちゃ弱いです。コートからロッカー行っている時は大体トイレ行っているんですよ。普通の顔でトイレに行っているのできっと誰も気づかないと思います(笑)
二宮:ずっと前からなんですか?
小松:プロになってからずっと。検査もして問題はなかったんですけど過敏性腸症候群じゃないかって言われて。面白いのは、今オフシーズンは、調子いいんです!で、シーズン始まるとストレスなのか調子悪くなるんですよ!(笑)
二宮:試合中は頻繁に行かれるんですか?
小松:シューティングが終わって1回はけたときにトイレに行って、その後、選手入場の直前も行っていますね。
二宮:名前呼ばれて、ギリギリ間に合ったみたいなこととか。
小松:普通にありますね(笑)1本シュートを打つよりも1回のトイレに行っておいた方が気持ち的にはいいので優先しています。集中するために!!!
二宮:会場でチェックしちゃいそうです。小松選手がいない。あ、トイレかなって(笑)
小松:「小松選手、行ってらっしゃ〜い!」って(笑)
二宮:それ、言って大丈夫なんですか(笑)
小松:やばいですね!だめです。

“緑を見てリラックス、御朱印は東向きに貼ります“

―トイレに悩める男、小松選手が、少しでも気持ちが和らぐようにと始めたのが“お散歩”試合前に家の近くを散歩することがルーティンに。近所の公園や神社などを歩きながら田んぼや草木など緑を見るのがポイント。自然を浴びて心身のリラックスを心がけている―

二宮:バスケ以外で好きなこと、ハマっていることはありますか?
小松:これと言ってはないんですけど、僕もうおじいちゃんみたいな感じだから散歩とか好きなんですよ。試合前とかも散歩に行きます。たとえば佐賀の時は土曜の試合は午後からが多かったので午前中の朝に家の近くを散歩していました。
二宮:散歩を始めたきっかけは?
小松:ある本で、緑のものを見るとリラックス効果があるって、公園とかでもいいから自然の緑のものを見て心を落ち着くっていうことが書いてあったので、ちょっとやろうかなって思って続けていますね。で、時間があったら神社に寄って御朱印をもらって帰るみたいな。
二宮:御朱印帳はお持ちなんですか?
小松:作りたいでんですけど、作るタイミングを失って。
二宮:これまで集めた御朱印はどうしているんですか?
小松:部屋に貼っています!
二宮:貼っている!??
小松:調べたら“東向きに貼る”といいって分かったので貼っています!
二宮:散歩と御朱印巡りをして変化はありましたか?
小松:結構リラックスにはなりますね。今では試合前のルーティンにもなったので。
二宮:それこそ岩手は緑が、自然がたくさんあるので。
小松:そうですね。うちの前も田んぼで、めっちゃ緑でした(笑)
二宮:たくさん癒されそうですね(笑)

“昇格のためには、みんなの力が絶対必要”

―最後に、開幕を楽しみしているブースター・ファンの皆様へ―

小松:B2昇格するためには、ブースターの皆さんの力が絶対に必要になってきますので、今まで以上にブーストして後押ししてほしいと思います。僕たちは必ずB2昇格するために準備をしていきますし、全力でプレーをしますので、ぜひ最後まで一緒に戦ってほしいです。

※次回は、#0大澤歩選手です。乞うご期待!

【書き手】
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■氏名 二宮真佑子(にのみやまゆこ)
■生年月日  1989年7月25日
■出身地  神奈川県横浜市
■経歴   玉川大学教育学部教育学科
2012.4~2015.3 横浜市内の小学校勤務
2015.4~2020.3  NHK盛岡放送局(出演者契約)ニュースキャスター、中継リポーター、番組ナレーション、イベントMC、講演会など幅広く担当。
2020.4フリーアナウンサーとして独立。
2020-21 岩手ビッグブルズアリーナMC
2021-22  岩手ビッグブルズアリーナMC
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