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二宮真佑子のブルズびいき
Vol.15“故郷に希望と夢を”澤口誠AC

Vol.15“故郷に希望と夢を”澤口誠AC

釜石市出身の澤口誠コーチ。釜石中学校、盛岡南高校を経て、2010年に高卒ルーキーとして秋田にプロ入りを果たした澤口さん。ブルズには計4シーズン在籍しバスケを通して岩手に元気と夢を与えてくれる欠かせない大黒柱だ。今季はシーズン途中で選手を引退し、指導者の道1本に。コワモテと言われることが多い澤口さんだが、チーム誰もが認める思いやりのある「優男」。見た目だけではわからない多面的な魅力を持つ人柄が愛される所以なのである。

今シーズンを振り返って「釜」  

―バスケで地元釜石を元気づけたい。その思いを胸にプロとして戦い抜いてきた澤口さんが選んだ言葉は、地元釜石の一文字―

澤口:いろんなことを感じた1年でした。選手に復帰して去年の夏は大変な思いをして動きましたし、シーズン始まって途中で怪我もあって。引退してそのあとは、コーチとしての立場で動いて、いろんな新しい経験をしたシーズンだったなって思いました。
二宮:「釜」の漢字は、地元釜石ですね。
澤口:選手として最後の試合を釜石でできたっていうことでこの漢字を選びました。
二宮:釜石での引退試合はどのような気持ちで臨んだんですか?
澤口:特別な思いはなくて、普通の気持ちでやっていましたね。一度引退しているので、これが1回目の引退だったら別だと思うんですけど。でも、最後は釜石でできてよかったなっていう気持ちそれだけですね

―高卒ルーキーとして秋田でデビュー。翌年bjリーグに新規参入したブルズに移籍。自身も経験した東日本大震災の苦境を乗り越えてより一層地元への思いは強まった。
2012年3月11日に北上市で開催された復興祈念試合の勝利インタビューでは、澤口さんの岩手に向ける熱い思いがひしひしと伝わる―

澤口:釜石中学校の時の同級生の仲良い奴が、津波でバーンって自宅を流された跡を俺も現地に見に行っていて。これはシャレにならんっていうのはやっぱりありますね。そこからは「地元のためにやりたいな」っていうのがありました。その同級生も試合を見にきてくれたり、たまに電話したりしていたので、だから岩手でやるっていうことだけでもそれだけでも意味があるのかなっていうのはありましたね。

―引退してすぐチームのアシスタントコーチに就任。B2昇格を目指して選手に近い存在としてチームのサポートに徹した―

澤口:早くB2に上がって欲しいっていう気持ちで選手としても戻ってきたので、コーチになってからももちろん、その思いは変わっていないです。選手たちとずっと一緒にやっていたので選手目線でっていうのは意識していました。それはコーチ陣とは違う部分だったので、まぁ選手たちは言いやすい部分はあったと思います。そういうのをうまく聞きながらコーチと共有して選手はこう思っている感じですねってどんどん伝えていきました。

―岩手のプロスポーツで地域の力になれる存在に―

澤口:プロスポーツなのでやっぱりいろんな人に見てもらって、結果が全てだとは思うんですけど、岩手に関してはそういうことでもないのかなっていうのはあります。試合で勝ち続けながらも、傍らでは絵本の読み聞かせだったりクリニックを通してボランティアに参加したり、そういうのをなくさないでやっていって欲しいって強く思いますね。

澤口流指導法

―澤口さんは、チームのACを務める傍らで、自らが立ち上げた教室「いわてバスケットボールスクール」を開校している。奥州や北上、陸前高田など各地の小学生から中学生の指導に励み、未来の子どもたちの育成に力を注ぐ―

澤口:子どもたちのバスケ人口を増やしたいっていうのがあったので開きました。やっぱりサッカーとか野球とかに負けないくらい岩手県でバスケが根付いてほしいと思います。バスケ人口が増えれば、高校やクラブチームの試合を見に行くようになって必然的にブルズの試合を見にいくことに繋がると思うので、岩手にトップチームがあるということは、目指す目標も明確に見えていいですよね。
二宮:立ち上げておよそ3年、スクール運営はどうですか?
澤口:楽しいですね。初心者の子たちも受け入れていて面白いです。児童館みたい(笑)スクールになってはいない児童館レベルなんですけど、楽しんでくれています。
まずは、バスケットって楽しいなって感じてもらって、その先に「あ、バスケやりたいな」っていう気持ちになってくれれば嬉しいので。

―選手や子どもたちにかける声かけは実にユニーク。お金話が心を掴む!?―

澤口:コーチによってそれぞれ違うと思うんですけど、真面目に言っても伝わっているか分からないっていうのはコーチをしてきて感じています。だから、子どもたちには楽しく考えたり、覚えたりできるように意識しています。
二宮:どんな話をするんですか?
澤口:お金に例えると入ってくるんですよ。子どもにお金の話をするとどうかなって思うんですけど(笑)たとえば、正面のレイアップにいく子どもがいたんですけど、正面のレイアップって難しいじゃないですか。そういう時に「そこでシュート外したらお前100万円もらえないんだよ」って。レイアップ1本決めたら100万円もらえます、お前どこからいくんだレイアップって聞いたら、ちゃんとこっちから(ゴール脇)いきますって。
二宮:100万円もらうために考える力が生まれるんですね(笑)
澤口:そうそう自然と考える。もちろんお金以外にもありますよ、ちゃんと(笑)

チームきっての優男

―常にクールな表情の澤口さんは、コワモテだと思われがち。しかし、根強いファンには伝わる人情深さと包容力ある兄貴的存在に心掴まれている人が多い

澤口:話しかけにくいって見られがちですね。まぁ話かけるなオーラは出しています。
二宮:え、自分からですか。どうして?
澤口:人見知りで、人と喋るのが苦手なので。基本嫌です(笑)
二宮:でも、こうはっきり言えてしまう澤口さんの性格が潔いというかいいですよね。
澤口:嫌よ嫌よも好きのうちでしょって言ってくる人とかいます。
二宮:澤口さんの人柄をよく知った根強いファンが多いんですね。

―選手やスタッフからも「優男」の真相を調査!!―

下山貴裕選手
「彼は本当に単純に優しいです!初見で皆さんどう捉えるか分からないですけど、おそらく怖いとかおっかないイメージがつく人もいるかと思うんです。だけど話せば全然、子ども好きで本人も子どもから好かれていて、後輩たちにはご飯をごちそうしてあげたり、遊んだり、とにかく面倒見がいいお兄さんって感じです」

原田剛成選手
「誠さんはプロ経験が長い分、いろんな場面や状況で、どういうプレーや行動をしたらいいのか、みんなの前では言わずに2人で話している時に優しく教えてくれるんです。そういう隠れた優しさもありつつ、バスケ以外の面でも僕だけじゃなく他の選手たちを色々と誘ってくれて頼りになる優しい先輩です!」


クラブ広報担当の菊池さん
「なんだかんだ面倒見がいいと思うんです。クリニックとかイベントに行った時も途中寄ったコンビニで運転手に飲み物をくれたりとか。みんなに気遣いがあってそれが押し付けじゃない自然なんですよね。そういうところを他の選手も多く感じていて、あ、優しいってなるんじゃないですかね」

譲れないディズニー愛

―ディズニー好きで有名な澤口さん。年に2〜3回特に夏のシーズンは欠かさず足を運ぶ。小学生の頃、東京に住んでいた時にディズニーの世界に惹かれていった。
好きなキャラクターは、やんちゃでどこか憎めない性格で愛されるドナルドダック―

澤口:1番かわいいじゃないですか。あのお尻の感じがいいですね。プリプリプリプリして歩いているの。あと青色が好きなのもあります。
二宮:澤口流の楽しみ方はありますか?
澤口:ガンガン乗り物です!!

二宮:好きなアトラクションは?
澤口:シーのタワテラですかね。
二宮:タワー・オブ・テラー。怖いのは大丈夫なんですね。
澤口:怖いのがいいですね!昔は1日中いて、朝から行くと1日で2万5000歩以上歩いているんですよね。だけど、今は20時くらいになるとちょっと限界だなって思いますね、歳を感じます(笑)

―夏場の練習帰りは、ほとんどと言っていいほどドナルドがデザインされたTシャツに着替えるのがお決まり☆―

―最後に、これまで熱い声援を送ってくれた皆様にメッセージを―

澤口:今シーズンありがとうございました。今年B2に上がれなかったっていうのは、
チームの力不足というところがあると思います。もう1回見直して、簡単ではないですがまたB2に上がることを目指していければと思います。また、復興という思いを胸に岩手県民全員が愛してくれるようなチームになってほしいなと思いますので、これからも熱い声援よろしくお願いします。

※次回は、福田亮(ふくだ・あきら)TTです。乞うご期待!